音楽家と心因性の病気

ギタリスト、ピアニスト、シンガー、ドラマーなど、音楽家を突然襲う「原因不明の病気」について解説します。

スガシカオさんと突発性難聴

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2012年10月、シンガーソングライターのスガシカオさんが、右耳の突発性難聴に襲われたことを告白されました。

 

突発性難聴とは、その名のとおり、「突然聴力が奪われる病気」です。

 

「昨年10月に所属事務所から独立し、ちょうど1年となる今月26日付けのiTunes Storeランキングで見事1位を獲得したスガシカオ。耳に異常を感じるなど、発症したのは独立のための交渉や準備をしていたころ。耳鳴りが止まらなくなり医者に行ったところ右耳の突発性難聴と診断され、最悪の場合「右耳の聴力はある程度あきらめて下さい」とまで言われたという。

 「原因は、自分的には思い当たる」というスガシカオは、「この先一人になって、うまくいくかどうかわからないというものすごい不安と恐怖の壁、色んな重圧、世知辛い現実と人間関係、毎日心をグラグラさせるような出来事ばかりが続いた、そしてそれに連日、追い打ちをかけるようなアルバムプロモーションの激務・・・」など多くのストレス要因を抱えていたことを告白」

 

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このように、スガシカオさんは、自身の突発性難聴心因性であることを認めています。

 

スガシカオさんのように華々しいご活躍をされている方は、それだけ私たち庶民よりはメンタル強いだろう、と思ってしまいがちです。

 

でも、華々しい活躍をすればするほど、それだけ責任の重さも私たち庶民よりは重いものになります。

 

まして、スガシカオさんは独立の際のストレスがキッカケだったそうですから「一人で何もかも背負わなければいけないプレッシャー」に押しつぶされてしまったのです。

 

スガシカオさんを直接カウンセリングしてみないと何とも言えませんが、おそらく「ストレスダムの決壊」となるような、何か決定的な出来事があったのだろうと思います。

 

誰もが「ストレス耐性の限界」があります。

 

メンタルが弱い人は、ちょっとしたことですぐにヘタレます。

 

ところが、普段頑張っている人ほど「まだ頑張れる。これくらいで弱音を吐いちゃダメだ」と、張り切る傾向があります。

 

そして、「ストレス耐性の限界」が近づいていることに気が付こうとせず、自分を追い込みます。

 

やがて、突然「ストレス耐性のダム」が決壊し、スガシカオさんの突発性難聴のように、原因不明の病気に襲われるのです。

 

ミュージシャンにとって、「耳が聴こえなくなる」という事態は、まさに不幸のどん底に突き落とされたような状況でしょう。

 

ところが、実は脳は親切のつもりでやっているのです。

 

「これ以上頑張ると、心身が壊れちゃうよ。だから、お休みしましょうね」と、突発性難聴を起こさせているのです。

 

パソコンを使っていると、突然フリーズすることがあります。

 

そんな、にっちもさっちもいかないとき、「Ctrl」「Alt」「Delete」キーの同時押しで強制終了しますよね。

 

*あんまりやると、パソコン自体が壊れてしまいますが(^^;。

 

いわば、スガシカオさんの突発性難聴は、この「『Ctrl』『Alt』『Delete』キーの同時押しの強制終了」と同じなのです。

 

ただ、問題なのは原因となるような出来事が終わっても、そのとき受けたストレスが脳内に残り続けることです。

 

そのため、脳は「『Ctrl』『Alt』『Delete』キーの同時押しの強制終了」命令をずっと出し続けてしまうのです。

 

逆を考えれば、スガシカオさんの脳内に残ったままのストレスを心理療法で癒せば、すぐに突発性難聴は治ります。

 

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生きている以上、ストレスはつきものです。

 

でも、スガシカオさんが突発性難聴に襲われたということは、「これまでの、ストレスとの付き合い方を見直しましょうね」というメッセージでもあります。

 

そのメッセージの意味を正しくくみ取って、より良い音楽家人生を送ってもらいたいですね。